独身女性の奇行~猫を添えて~

冴えない独身アラサー女性。一生猫の下僕であることを誓う。

おじいちゃんにときめき

新居に引っ越してきてから早いもので10か月経ちます。

近所にどんなお店があるかも大体わかってきましたが、1つだけ気になる建物があります。
古びた建物で、大きなショウウィンドウがあって綺麗なお花がたくさん並んでいる。でも看板もないし電気もついてないし、お店ではなさそう。

でもめっちゃお花並んでる…。

いつもは車で通りすぎてるだけなのですが、たまたま徒歩で買い物いったついでにそのお花を見てみることにしました。

でもやはりお店ではないみたいなので帰ろうとすると、建物の中からおじいちゃんがぬっ…と出てきて、「花、いるかい?」と話しかけてきました。

これは私が視えていいものなのか…?

一瞬迷いましたがおじいちゃんがさらに続けて「花あげるよ」と言いました。
多分視えて大丈夫^^

 

私「お花屋さんなのかと思ったんですが…」

おじいちゃん「いや、趣味!たくさんあるからあげるよ」

私「売ってくださるんですか?」

おじいちゃん「いやぁ、なんも。タダであげるって。結構みんなにあげちゃってるから、あげられるの少ないけど持っていくかい?」

私「いいんですか?是非!」

 

なんとおじいちゃんは人にお花をあげる妖精さんだったのです!

早速おじいちゃんにおすすめの花を2ついただきました。

かわいいぴんきゅ!

 

そして会話にも花が咲きます。

おじいちゃん「ここら辺に咲いてる花はあれだよ?前に銀行で通帳作った時に、良かったらこれもどうぞ~ってもらった球根を植えたのが咲いたんだ。球根ってわかる?」

 

猫野いりこ33歳、球根わかります^^
しかもおじいちゃん、通帳作って球根いただくって何年前のお話!?最近でも通帳作ったら球根もらえるの!?

かなりの種類のお花や野菜が咲いてるのを丁寧に説明していただく。

 

おじいちゃん「この辺の菜っ葉はあれだな、一斉にバーッと大きくなるから去年は食べるの大変だったんだ。茹でて冷凍してさ、去年の冬は菜っ葉買わないでずっとこれ食ってさ」

私「大量に収穫できたんですね^^ すごい!」

おじいちゃん「食べるんならやるよ?」

私「いいんですか?」

おじいちゃん「うん、持っていきな。いま分けてやるよ。でもね、この菜っ葉の隣に生えてる細長いやつはやれないから、菜っ葉と分けるからちょっと待ってれ」

 

発泡スチロールで栽培していて、そこには菜っ葉と細長い葉っぱが入り乱れて生えてます。
細長い方は花であげられないから仕分けるといって2人で建物の中へ移動しました。

そこで菜っ葉と細長い花を仕分けしながらまた話に花が咲きます。

 

おじいちゃん「これさ、菜っ葉の種まいたの忘れてまた種まいたからごちゃごちゃなんだ^^」

 

おじいちゃん…///(きゅん…)

なんておじいちゃんらしい理由なの…?

おじいちゃんは土を掘り返し、菜っ葉と細長いのの根を傷つけないように丁寧に仕分けします。

 

おじいちゃん「16年前に妻が亡くなってさ。その前に認知症になっちゃったんだ。で、俺があれこれ世話してさ…。オシメ替えたり飯作ったりなんだりな。……どこまで話したっけ?

私「奥さんのお世話をしていたとこです」

おじいちゃん「そう、そして妻の両親の世話も俺がしててな。俺の周りの友達なんかは『良くやるな、オレならムリだ』なんて言ってたけどさ、俺はやってたんだよ。……どこまで話した?

私「奥さんのご両親のお世話もしたとこです」

おじいちゃん「そう、大変だったんだ。大変だったけどさ、俺が全部世話してさ」

 

おじいちゃん…///(きゅん…)

奥さんも奥さんのご両親も大事になさっていたのも素敵だけど、おじいちゃんらしい物忘れかわいい…///
多分根を分けながら話してるから注意が分散してどこまではなしたか忘れちゃったんだと思うけど、かわいい…。

そこから30分程かけて仕分けしてもらった菜っ葉がこちら。

おじいちゃん「すぐ植えれるように全部根っこ分けといたからな。このまま土に植えてやればいいんだ。これは太陽に当てて大丈夫。さっきの花は時々日陰に入れてやって、冬になったら部屋に入れてやればいいんでないか」

アドバイスももらいました^^

なんて素敵なおじいちゃんなのでしょうか。
仕分け中に投資信託で儲かったお話をされて、「あんたもした方がいいよ。興味あるんなら教えてやる。元手なかったら増やすやり方も教えてやる」と言われた時はびっくりしましたが^^

 

おもしろい出会いができました^^

お花と菜っ葉ありがとうございます^^

ちなみに菜っ葉がなんという食べ物なのかわかりません。