独身女性の奇行~猫を添えて~

冴えない独身アラサー女性。一生猫の下僕であることを誓う。

ぽんこつに拍車がかかる日々

普段から忘れ物が多かったのですが、鬱になってからより一層拍車がかかったなと思います。

 

職業訓練学校が始まって1カ月を過ぎた頃に母の緊急入院があり、バタバタし始めた時の事。

nekonoiriko.hatenablog.com

緊急入院直後は、マジの緊急入院だったので入院道具の足りないものがちょこちょこあり、学校帰りに届けに行ってました。

面会はダメでしたがナースステーションで荷物を渡すだけなら17時までOKだったので、学校終わりに買い物してお届けしてたのですが、買い物して病院へ向かうのに17時ギリギリ。

あの頃は届け物がある時は授業が終わったらダバダバ急ぎながら教室をでてました。

そんなもんで、元々忘れ物多い方だったのにわたわたしてたらスマホを教室に忘れるという悲劇勃発!

車に乗り、一番近くの信号待ちしている時にハッとスマホ忘れたことを思い出しすぐに引き返しました。

しかしそういう時に限ってもう教室しまっとるやんけ!!!!!

ウソでしょ!?一番に教室でて、すぐ近くの信号待ちしてるこの間約10分にも満たないですけど!?

学校の玄関のドアを「開けて下さ~い!!すみませ~ん!!先生~~!!」と大きな声で叫びながらドンドンドアを叩く私。怪力で名を馳せた私の焦りから来る更なる怪力でドア側も恐怖していたことでしょう。そこで目が合うわけです。ドアに貼られたアルソックのシールと。

(まずい…このままではアルソックと戦わなければいけなくなる…)

そう思った私は作戦変更。

生徒が車を停めている駐車場に私の前の席の高橋くん発見!

すぐさま高橋くんの車に駆け寄り(私の俊足を見せつけてしまいました)、エンジンをかけようとしているところに窓を丁寧にコンコンし、高橋くんに助けを求めます。

この時、高橋くんの恐怖する表情を初めてみました。

険しい顔をして髪を連獅子のように振り回しながらかなりの俊足で駆け寄ってくる女を、高橋君は初めて見たのだと思います。

高橋君は180㎝もある大きな体を縮こませながら恐る恐る窓を開けてくれました。

「教室にスマホを忘れて取りに行こうとしたら、もう玄関のドアが閉まっていてはいれない。でもまだ先生は中にいるかもしれないから学校に電話してみてくれないか」とお願いし、電話してくれました^^ありがとう高橋くん^^

しかし先生電話にでない!!おそらく、生徒も全員帰宅し、仕事終了したので電話もでないという感じだったのだと思います。

こうなりゃ仕方ねぇ!!

私「高橋君、時間ある!?」

高橋くん「はい、ありますよ」

私「申し訳ないんだけど、私ビルの人に事情説明して裏口から中入らせてもらえないか聞いてくるから、先生が正面玄関から出てこないか見張っててくれないかな!?

私はこの純粋で優しい男の子になんてことを頼んでいるのでしょう。

だけど、この日(金曜日)スマホを回収しないと土日学校休みなので困ります。

快く玄関の門番を務めてくれた高橋くんに礼を言い、ビルの裏口へ走っていきました。

こんなにバタバタしている32歳の大人をみて、彼は何を思っていたのでしょうか。今更聞く勇気はありません。

 

なんとかビルの人と話をつけ、裏口から侵入成功。

教室がある廊下に繋がるドアに手をかけた瞬間、ドアの向こう側から鍵をかけようとしている先生発見!!

「先生~~~!!」

私の大きな声が響き渡ります。

辺りは静寂。

帰ったはずの生徒の叫び声。

後に先生は「かなり恐怖した」と語っています。

先生に事情を説明し、教室に入らせてもらいスマホゲットだぜ。

今のところ、教室にスマホ忘れてビルの裏口から侵入してきた生徒は初だそうです。

多分、次の生徒さんたちが入学してきたら学校説明のパンフレットにスマホの置き忘れに注意って項目追加されてると思います。

先生がいるので正面玄関から帰らせてもらうことになり、正面玄関の門番をしていた高橋くんとご対面。

ほんとごめん高橋君。それから先生もすみませんでした。

 

私「いや~高橋くんほんとごめん!そしてありがとう!本当に時間大丈夫だった?」

高橋くん「大丈夫っすよ」

私「本当?よかった~!じゃ、悪いけど私これから母親の病院行かなきゃいけなくて!お詫びは月曜日でもいいかな!?」

高橋くん「いや、全然大丈夫っす!暇だったんで」

 

なんていい子なの?

もう頭が上がらないよ。

 

月曜日、昼休みに近くのコンビニに高橋君を連れていき、好きなものを選んでいただくことでお詫びとさせていただきました^^

そして、この日からです。帰る際に高橋くんに忘れ物ないかチェックしてもらうようになったのは。

私「終わった~!帰ろー!」

高橋くん「携帯ちゃんと持ちました?

私「持った!」

高橋くん「それは本当に携帯ですか?」

私「うん、ほら!携帯!」

高橋くん「はい。そこのポケットに入れて携帯落としませんか?」

私「大丈夫!落としたことないよ!」

 

チェックが思っていたより厳重でした^^あれから現在まで毎日チェックしてもらっています。

そしてある日のこと。

高橋くん「スマホ持ちました?」

私「持った!」

高橋くん「忘れ物ないですか?」

私「ない!OK帰ろう!」

高橋くん「! 猫野さん!コーヒーのペットボトル忘れてます!」

私「ホンマや…!ありがとう~!危ない危ない」

高橋くん「良かったっす。もう忘れ物ないですよね?」

私「ないね!コーヒー持ったし!」

 

高橋くんはホンマしっかりもんやで。

駐車所までの道のりでは私が言い訳を始めます。

私「いや~忘れ物多くて困っちゃう。よくみんなから忘れ物ない?って確認してもらうんだけどさ、忘れ物があるってことを忘れてるから忘れ物するのであって、忘れ物を思い出せてたら忘れ物はないんだよね」

なぜか哲学的な言い訳。高橋くん苦笑い。

そして高橋くんとお別れして、車内で忘れ物があったことに気づく。

私は腰が悪いので、運転席の背もたれにクッションを置いてます。(これでかなり腰痛軽減される)

そのクッションを教室に持っていき、椅子の背もたれに置いて授業をうけて、帰りにクッション持って車に戻ります。

そう、このクッションを教室に忘れました^^運転席に座って背中の違和感で気づきました。

でももう取りに行くの面倒だったんで諦める。携帯程重要じゃないので^^

 

翌日早速高橋くんに報告。

私「昨日あれだけ忘れ物ないって言ってたのに、このクッション忘れちゃった^^私の忘れ物チェックリストにクッション追加してもらえる?

高橋くん「わかりました」

 

わかったんかい!!!優しすぎだろ!!!

もちろんこの日からクッションも高橋くんチェックが入るため忘れていません^^

ありがとうマジで…。

 

しかしそんな高橋くんも、就職は札幌を目指しているそう。

私「ええ!?札幌行っちゃうの!?そんな…高橋くんがいなくなったら私は一体どうすれば…」

高橋くん「高橋からの卒業ですかね」

私「高橋くんからの…卒業…」

高橋くんが地元から離れることにショックと不安を隠せない私。まず年下に自分の世話させようとすな^^

 

昔から忘れ物することはあったんですが、ここまでひどくなかったと思うんですよね…。

いまでは予定がある日も忘れてしまったりします。よく忘れるのが月一回の病院です。次の日に気づいたり、当日中に思い出せたら電話して時間変更してもらったりします。

なんで忘れるのかわからない…。

ハリーポッターに出てくるネビルも言ってましたよね。

「問題は、何を忘れたか思い出せないってことなんだ」

つまりそういうことなんです。

対策としてはメモしまくることなんですが、そのメモもなくしたりしちゃうことも問題なんですよね。

買い物のメモをテーブルに置き忘れて買い物に行って、もちろん買い忘れして帰ってくる。

から揚げしたくて唐揚げ粉買ったのに鶏肉買い忘れた時はさすがに絶望しました^^

 

ドジっ子アピールしたいのではありません。これはもうそんなかわいいもんではありません。

なので周りに助けを求める方向にしました。その犠牲者が高橋くんです。

 

ありがとう高橋くん!

君が札幌に行っちゃっても絶対に忘れないよ!!